こんな人に向けて書きました
「プログラミングはできないが、毎月の集計作業をなんとかしたい」という想定で、AIチャットに日本語の指示文を1回だけ渡し、ブラウザで動く経費集計ツールを作ってもらいました。使った指示文の全文、約6分後に返ってきたものの中身、別に用意したテストデータで検算した結果、同じことをやるときの指示文の型まで、実際にやった手順をそのまま記録します。
- ✓プログラミング経験はないが、毎月くり返す集計・転記の作業を減らしたい人
- ✓AIチャットを調べ物や文章の下書きにしか使っておらず、「道具を作らせる」使い方を見てみたい人
- ✓小さな業務ツールを、人に頼まず自分で用意できるか知りたい人
次に見るものを先に決める
記事を最後まで読まなくても、目的が近いところから進めます。迷う場合は、候補一覧、比較表、個別ページの順で見ると選びやすくなります。
状況別に選ぶならこの3パターン
目的が決まっている人は、ここから向き不向きや料金の見方を見られます。申し込み前には、リンク先で料金、上限、解約条件を見直すと安心です。
比較表
料金は変わるため、固定金額だけでなく「何がどこまでできるか」「公開前にどこを人が見るか」「利用量が増えたときにどう請求されるか」を見ます。
| サービス | 向いている人 | 見ておきたい特徴 | 料金・無料枠の目安 | 注意点 | 次に見る |
|---|---|---|---|---|---|
| AIチャットに文章で頼む | 貼り付けて動く1画面の小さな道具が欲しい人 | 日本語の指示文だけで、HTMLファイル1つの道具が数分で返ってきます。修正も会話で頼めます。 | 定額プランのAIチャットなら追加費用なしで試せます。従量課金のプランでは消費量に応じた費用がかかります。 | 出てきた道具の検算は人間の仕事です。毎回一発で動くとは限らず、往復の修正が前提です。 | 比較を見る |
| ノーコードツールで組み立てる | 入力フォームや共有など、画面が複数ある仕組みが欲しい人 | 部品を組み合わせて業務アプリを作れます。データ保存や共有機能まで持つものもあります。 | 無料プランを持つものと有料前提のものに分かれます。各公式ページの最新表示で見ます。 | ツール自体の操作を覚える時間が必要です。作りたいものが1画面で済むなら過剰なこともあります。 | 比較を見る |
| 表計算ソフトで自作する | 普段の表計算の延長で済ませたい人 | ピボットテーブルなど既存機能で同種の集計はできます。新しい道具は増えません。 | 手元の表計算ソフトの範囲で済みます。 | 関数やピボットテーブルの知識が前提で、作った本人しか直せなくなりがちです。 | 比較を見る |
やったこと:日本語の指示文を1回渡しただけ
実験の条件は、できるだけ「プログラミングをしない普段の仕事の人」に寄せました。開発ツールは開かない、コードは書かない、AIチャットへの依頼は1回だけ。渡した指示文は、冒頭の一文と箇条書き7項目がすべてです(原文のまま掲載します)。
- ✓経費の記録を集計する、小さな道具を作ってほしいです。私はプログラミングはできません。
- ✓・ブラウザで開けるHTMLファイル1つだけで完結させてください(インストール不要で、ファイルをダブルクリックすれば使える形)
- ✓・画面に大きな貼り付け欄があり、そこに経費の一覧を貼り付けて使います
- ✓・貼り付けるのは「日付,費目,金額」の3列のCSVです(1行目は見出しです)
- ✓・「集計する」ボタンを押したら、月ごと×費目ごとの合計金額の表、費目ごとの合計、全体の合計が出るようにしてください
- ✓・金額は3桁区切りで表示してください
- ✓・貼り付けたデータが外部に送信されない、ブラウザの中だけで完結する作りにしてください
- ✓・完成したHTMLファイルの中身だけを、そのまま返してください
返ってきたもの:約6分後、修正なしで動いた
指示文を送ってから完成したコードが返ってくるまでは約6分でした。返ってきたコードをそのままファイルとして保存してブラウザで開くと、貼り付け欄と「集計する」ボタンを備えた画面が表示されました。検証のために、AIには見せていない別のテストデータ(3か月分・12件の経費明細)を用意して貼り付けたところ、月ごと×費目ごとの表、費目ごとの合計、全体の合計がすべて表示され、電卓での手計算と全部一致しました。修正のお願いは一度もしていません。
- ✓所要時間:指示文を送ってから完成コードの受け取りまで約6分。やり取りは1往復のみ
- ✓検証方法:AIに見せていない12件の明細を貼り付け、月合計・費目合計・総合計を手計算と突き合わせて全数一致
- ✓頼んでいないのに付いてきたもの①:Excelからコピーした表(タブ区切り)もそのまま貼れる対応
- ✓頼んでいないのに付いてきたもの②:「¥1,200」「300円」のような金額表記や全角数字を読み取る処理
- ✓頼んでいないのに付いてきたもの③:読み取れなかった行を行番号つきで知らせる警告表示と、動きを試せるサンプルデータの投入ボタン
何が変わったのか:「作ってもらう」が現実的な選択肢になった
この種の集計は、これまでなら表計算の関数やピボットテーブルを覚える、社内の詳しい人に頼む、開発会社に見積もりを出す、のどれかでした。どの道でも、小さな道具ほど「作れる人」に届くまでの待ち時間や頼みにくさが壁になります。今回の実験が示しているのは、その壁が「要件を日本語の箇条書きにする時間と数分の待ち時間」まで縮んだことです。重要なのは、プログラミングの知識の代わりに必要になったものが「自分の作業を言葉で説明する力」だという点です。何を貼り付けて、どのボタンを押したら、何が表示されてほしいのか。それを書けたことが、今回うまくいった理由のほぼすべてです。
- ✓これまで:関数・マクロの学習、詳しい人の空き待ち、外注の見積もり(小さな道具ほど頼みにくい)
- ✓これから:要件を日本語の箇条書きにして、AIチャットに渡す
- ✓必要な力の変化:「作る技術」から「作ってほしいものを言葉にする技術」へ
まねする人のための指示文の型
今回の指示文は「完成形・入力・出力・制約」の4点を先に固めています。この型は特定のAIに依存しないので、どのAIチャットでも同じように使えます。
- ✓完成形:どんな形で受け取りたいか(例:HTMLファイル1つ・ダブルクリックで開ける)
- ✓入力:自分が何を入れるのか(例:「日付,費目,金額」の3列CSV・1行目は見出し)
- ✓出力:操作したら何が表示されてほしいか(例:月×費目の表・費目合計・全体合計・3桁区切り)
- ✓制約:守ってほしい条件(例:データを外部に送信しない)
- ✓動かなかったら、画面の状態やエラーの文言をそのまま貼り付けて「こうなります」と返す。会話で直してもらえる
仕事で使うときの注意
便利さと同じくらい大事なのが、確かめ方と線引きです。今回の型には、業務データの扱いで大きな利点が1つあります。AIに渡したのは「作ってほしい道具の説明」だけで、経費データそのものは一度もAIに見せていません。データの処理は手元のブラウザの中だけで完結します。
- ✓実データはAIに渡さない設計にできる:道具だけ作らせ、データは手元で処理する今回の型はその一例
- ✓出てきた数字は必ず検算する:初回は手計算やピボットテーブルと突き合わせてから使う
- ✓所属先のルールに従う:AIチャットの業務利用や社内データの扱いは、会社の規定が優先
- ✓大きく複雑な要件は分割する:1画面で完結する小さな道具から始めると失敗しにくい
よくある質問
プログラミングの知識がなくても、本当にそのまま使えるものが返ってきますか?
今回の実験では、修正を頼まないまま最初の1回で動くものが返ってきました。ただし毎回そうなるとは限りません。動かないときは、画面に出た状態やエラーの文言をそのままAIに貼り付けて「こうなります」と伝えると、会話の往復で直してもらえます。プログラミングの用語を使う必要はありません。
どのAIチャットでも同じことができますか?
今回の実演で筆者が使ったのはClaudeです。ChatGPTやGeminiなど、主要なAIチャットにはいずれもコードを生成する機能があり、この記事の指示文の型(完成形・入力・出力・制約)はそのまま使い回せます。生成できる量や条件はサービスごとに変わるため、使う予定のものの公式ページで最新の内容を見てください。
会社の経費データをAIに貼り付けることになりませんか?
なりません。今回の型の大きな利点で、AIに渡したのは「作ってほしい道具の説明」だけです。経費データそのものは、出来上がったHTMLファイルをブラウザで開いて、その中に貼り付けて処理します。指示文に「外部に送信されない、ブラウザの中だけで完結する作り」と書いたのはこのためです。なお、データそのものをAIチャットに貼って要約や分析を頼む使い方をする場合は、所属先のルールに従うのが前提です。
返ってきたコードはどうやってファイルにするのですか?
AIチャットの返答に表示されるコードをコピーし、メモ帳などのテキストエディタに貼り付けて、ファイル名の末尾を「.html」にして保存します(例: keihi.html)。保存したファイルをダブルクリックすればブラウザで開き、そのまま使えます。インストール作業はありません。
集計結果をそのまま経費精算に使ってもいいですか?
最初は必ず検算してからの利用をおすすめします。今回の実験でも、別に用意したテストデータで月合計・費目合計・全体合計を電卓での手計算と突き合わせ、全部一致するのを見てから「動いた」と判断しました。正式な精算・申告は所属先や制度の手順が優先です。この種の道具は、提出前の下ごしらえを速くするものと考えるのが安全です。
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