こんな人に向けて書きました
AIの音声合成は、作った声をどこまで公開するかで候補が変わります。自分で聞き返すだけならWordの読み上げ、無料で日本語ナレーションを作るならVOICEVOX、多言語ならElevenLabs、自分のアプリに組み込むならAmazon Pollyが目安です。見落としやすいのは、ソフトが無料でも作った音声の扱いは使った声ごとの規約で決まる点で、公式規約の案内をもとに整理しました。
- ✓動画やスライドに入れるナレーションを、自分で読まずに用意したい人
- ✓無料で日本語の読み上げを作りたいが、公開してよいのか判断がつかない人
- ✓VOICEVOX・ElevenLabs・Amazon Polly・Wordの読み上げの違いをざっくり整理したい人
動画で見る
この記事で扱う音声合成を、実際に動かしているところを短くまとめた動画です。
次に見るものを先に決める
記事を最後まで読まなくても、目的が近いところから進めます。迷う場合は、候補一覧、比較表、個別ページの順で見ると選びやすくなります。
状況別に選ぶならこの5パターン
目的が決まっている人は、ここから向き不向きや料金の見方を見られます。申し込み前には、リンク先で料金、上限、解約条件を見直すと安心です。
比較表
料金は変わるため、固定金額だけでなく「何がどこまでできるか」「公開前にどこを人が見るか」「利用量が増えたときにどう請求されるか」を見ます。
| サービス | 向いている人 | 見ておきたい特徴 | 料金・無料枠の目安 | 注意点 | 次に見る |
|---|---|---|---|---|---|
| Word の読み上げ | 配る音声を作るのではなく、自分の原稿を聞き返して読みにくいところを直したい人 | 公式サポートでは「Wordは、デバイスのテキスト読み上げ (TTS) 機能を使用して、書き込まれたテキストを音声で再生することで、聞き取りを可能にします。」と案内されています。あわせて「Windows と MacOS のWordには、単独またはイマーシブ リーダー内で読み上げを使用できます。」とも案内されています。 | Wordに含まれる機能として案内されています。使っているWordの種類や環境で使える範囲が変わります。 | 自分で聞くための機能で、音声ファイルを作って配ることを想定した機能ではありません。ナレーションを作る用途では別の候補を見た方が早いです。 | |
| VOICEVOX | 費用をかけずに日本語のナレーションを作りたい人。手元のPCで動かしたい人 | 公式サイトでは「無料で使える中品質なテキスト読み上げ・歌声合成ソフトウェア」と案内され、イントネーションの詳細な調整ができること、Windows / Mac / Linuxに対応することが案内されています。声は複数のキャラクターから選ぶ形です。 | 公式サイトでは「商用・非商用問わず無料」と案内されています。 | ソフトの規約と、使った声の規約が別にあります。公式のソフトウェア利用規約は「作成された音声を利用する際は、各音声ライブラリの規約に従ってください」「ご利用の際は VOICEVOX を利用したことがわかるクレジット表記が必要です。」と案内しています。 | |
| ElevenLabs | 日本語だけでなく英語など複数言語のナレーションを1か所で作りたい人 | 公式のText to Speechページでは、多数の音声から選べる音声読み上げサービスとして案内されています。用途別に声の傾向が分けて紹介されています。 | 公式ページには無料で始められる旨の案内があります。上限や条件は変わることがあるため料金ページを見ておきます。 | 入力したテキストと作った音声をクラウド側で扱う仕組みです。社外に出せない原稿を読ませる前に扱いの範囲を見ておきます。実在する人の声に似せる使い方は、権利や規約の面で別の判断が要ります。 | |
| Amazon Polly | 画面で1本ずつ作るのではなく、自分のアプリや仕組みの中から音声を生成したい人 | 公式ページでは「オンデマンドで音声を生成し、あらゆるテキストを音声ストリームに変換する、フルマネージドサービスです。」と案内され、数十の言語に対応することが案内されています。 | 使った分に応じた料金体系です。読ませる文字数の見積もりを先に出しておくと費用が読みやすくなります。 | APIから呼ぶ前提のサービスなので、数行を読ませたいだけなら手数が多くなります。まず内蔵機能や手元のソフトで足りないかを見てからの方が早いです。 |
各サービスを選ぶ前に
料金、機能、注意点を並べて、選ぶ前に比べたい違いを整理します。
VOICEVOX:無料で使えることと、公開してよいことは別の話
VOICEVOXは、公式サイトで「無料で使える中品質なテキスト読み上げ・歌声合成ソフトウェア」と案内されている、手元のPCで動くソフトです。「商用・非商用問わず無料」とも案内されており、費用の面では始めやすい候補です。ただし、作った音声を公開するときに見るべきものが2段あります。公式のソフトウェア利用規約は、ソフト自体について「商用・非商用問わず利用することができます」と案内する一方で、「作成された音声を利用する際は、各音声ライブラリの規約に従ってください」とも案内しています。つまり、条件を決めているのはソフトではなく、実際に使った声の側です。さらに規約には「ご利用の際は VOICEVOX を利用したことがわかるクレジット表記が必要です。」という案内もあります。公式サイトの声の一覧にも、キャラクターごとに利用規約へのリンクが並んでいます。無料だから自由に使える、と読み替えずに、使った声の規約とクレジット表記の扱いを公開前に見ておくのが安全です。
向いている人
- ✓費用をかけずに日本語のナレーションを作りたい人
- ✓原稿を社外のサービスに送らず、手元のPCで完結させたい人
- ✓イントネーションを自分で調整して読み方を整えたい人
向かない人
- !英語など日本語以外のナレーションが主目的の人
- !クレジット表記を入れられない場所で音声を使いたい人
- !自分のアプリの中から自動で音声を生成したい人
- 料金・無料枠公式サイトでは「商用・非商用問わず無料」と案内されています。使う声によって条件が変わるため、声ごとの利用規約を見ておきます。
- 利用者の声で見たい点評判を見るときは、声の自然さだけでなく、読み方を直す手間がどれくらいかも見ておきたいところです。同じ文章でも表記を変えると読み方が変わるため、原稿側で調整する前提で使うと差が出ます。
- 申し込み前に見ることソフトの規約と、使った声(音声ライブラリ)の規約は別です。公開前に声ごとの規約を見ておきます / 公式のソフトウェア利用規約は、VOICEVOXを利用したことがわかるクレジット表記が必要と案内しています / 対応環境や配布物の扱いは変わることがあるため、公開直前に公式サイトと規約を見ておきます
Word の読み上げ:まず追加費用なしで試せる範囲
ナレーションを作る前に、そもそも原稿が耳で聞いて分かる文章になっているかを確かめたい場面があります。Wordの読み上げは、公式サポートで「Wordは、デバイスのテキスト読み上げ (TTS) 機能を使用して、書き込まれたテキストを音声で再生することで、聞き取りを可能にします。」と案内されている機能です。「Windows と MacOS のWordには、単独またはイマーシブ リーダー内で読み上げを使用できます。」とも案内されています。目で読むと通ってしまう長い一文や、同じ語尾の連続は、聞くと引っかかります。音声合成ツールを選ぶ前にこの段階を挟むと、どのツールを使っても結果が変わります。ただしこれは自分で聞くための機能で、配る音声ファイルを作る用途とは分けて考えます。
向いている人
- ✓書いた原稿を耳で確かめてから清書したい人
- ✓追加の費用や新しいアプリを増やさずに始めたい人
- ✓読み上げが必要な場面が、配布ではなく自分の確認である人
向かない人
- !動画やスライドに入れる音声ファイルを作りたい人
- !声の種類や抑揚を細かく選びたい人
- !Wordを使っていない人
- 料金・無料枠Wordに含まれる機能として案内されています。使っているWordの種類や環境によって使える範囲が変わります。
- 利用者の声で見たい点評判というより、使い方の向き不向きがはっきりしている機能です。原稿の推敲に使うと効き、配布物の制作に使おうとすると物足りなくなります。
- 申し込み前に見ること使えるかどうかは、Wordの種類・バージョン・OSによって変わります / 配る音声を作るための機能ではないため、ナレーション制作は別の候補で見ます / 端末側の音声機能を使う仕組みのため、声の種類は端末の設定に左右されます
ElevenLabs:日本語以外もまとめて扱いたいとき
ElevenLabsは、公式のText to Speechページで多数の音声から選べる音声読み上げサービスとして案内されているクラウドサービスです。用途別に声の傾向が分けて紹介されており、日本語だけでなく英語などの音声も同じ場所で作りたい場合の候補になります。手元のPCにソフトを入れる方式ではなく、テキストをサービス側へ送って音声を受け取る仕組みのため、選ぶときは声の種類だけでなく、入力した原稿がどう扱われるかも合わせて見ておきたいところです。社外に出せない情報を含む原稿を読ませる予定があるなら、その点を先に見てから使い始めると後戻りが減ります。
向いている人
- ✓英語など日本語以外のナレーションも同じ場所で作りたい人
- ✓声の候補を多く見比べてから決めたい人
- ✓PCにソフトを入れずブラウザ側で完結させたい人
向かない人
- !原稿を社外のサービスに送りたくない人
- !日本語のナレーションを1本作れれば十分な人
- !クレジット表記や規約の条件をできるだけ増やしたくない人
- 料金・無料枠公式ページには無料で始められる旨の案内があります。上限や条件は変わることがあるため、公式の料金ページを見ておきます。
- 利用者の声で見たい点評判を見るときは、声の自然さだけでなく、日本語の読み方がどの程度安定するか、直したいときに調整する手段があるかも見ておきたいところです。言語によって仕上がりの印象が変わることがあります。
- 申し込み前に見ること入力したテキストと作った音声をクラウド側で扱う仕組みです。読ませてよい原稿の範囲を決めておきます / 実在する人の声に似せる使い方は、権利や規約の面で別の判断が要ります / 料金や無料で使える範囲は変わることがあるため、使い始める前に公式の料金ページを見ておきます
Amazon Polly:自分の仕組みの中から音声を出したいとき
Amazon Pollyは、公式ページで「オンデマンドで音声を生成し、あらゆるテキストを音声ストリームに変換する、フルマネージドサービスです。」と案内されている、開発者向けの音声合成サービスです。数十の言語に対応することも案内されています。画面から1本ずつ音声を作るのではなく、自分のアプリや仕組みの中から呼び出して音声を生成する使い方が前提になります。逆に言えば、読ませたい文章が数行しかない場面では手数が多くなります。まず内蔵の読み上げや手元で動くソフトで足りないかを見て、それでも足りないとき、たとえば大量の原稿を定期的に音声にする必要が出てきたときに候補として見ると、判断が早くなります。
向いている人
- ✓自分のアプリやツールの中から自動で音声を生成したい人
- ✓定期的に大量の原稿を音声にする必要がある人
- ✓すでにAWSを使っていて、請求や権限をまとめて管理したい人
向かない人
- !画面から数行を読ませたいだけの人
- !プログラムを書かずに使いたい人
- !1本のナレーションを作れれば十分な人
- 料金・無料枠使った分に応じた料金体系です。読ませる文字数の見積もりを先に出しておくと費用が読みやすくなります。無料で試せる枠の有無や条件は変わることがあるため、公式の料金ページを見ておきます。
- 利用者の声で見たい点評判を見るときは、声の質だけでなく、対応言語や声の種類、既存の仕組みへ組み込むときの手間も合わせて見ておきたいところです。用途が開発寄りなので、比較の観点も他の候補とは変わります。
- 申し込み前に見ることAPIから呼ぶ前提のサービスです。プログラムを書かない場合は他の候補の方が早いです / 使った分に応じた料金体系のため、読ませる文字数の想定を先に出しておきます / 料金や無料で試せる範囲は変わることがあるため、使い始める前に公式の料金ページを見ておきます
モニターヘッドホン:公開前に粗が残っていないか確かめたいとき
合成した音声は、PCの内蔵スピーカーで聞くと問題なく聞こえるのに、聞き手のイヤホンでは息継ぎの位置や語尾の切れ方が気になる、ということが起こります。音を誇張せずに鳴らすことを狙ったモニターヘッドホンは、こうした粗を見つけたい場面で使われます。特に、文と文のつなぎ目に入る不自然な間や、音量が急に変わる箇所は、聞く機器を変えると印象が変わりやすい部分です。ツールを高いものに替える前に、いま作った音声を一度きちんと聞き直すだけで直せることも多いところです。
向いている人
- ✓作った音声を人に届ける前に、自分の耳で確かめたい人
- ✓動画やポッドキャストなど、聞き手がイヤホンで聞く前提の場所に出す人
- ✓音量や間の取り方を自分で調整したい人
向かない人
- !音声を自分の確認用にしか使わない人
- !すでに聞き比べる環境が手元にある人
- !外出先での視聴が中心で、遮音性や携帯性を優先したい人
- 料金・無料枠価格は装着形状、インピーダンス、ケーブルの仕様で変わります。購入前にAmazonで最新の価格、在庫、配送条件を見ておきます。
- 利用者の声で見たい点レビューを見るときは、音の傾向だけでなく、長時間つけたときの重さや締めつけも見ておきたいところです。同じモニター表記でも音の傾向は製品ごとに違います。
- 申し込み前に見ることPCに直挿しで十分な製品と、別途アンプが要る製品があります。製品ページのインピーダンスの欄を見ておきます / 遮音性が高い製品は、周囲の音が聞こえにくくなります。使う場所と合わせて選びます / 音の傾向は製品ごとに違うため、モニター表記だけで同じ音になるとは限りません
選ぶ前に決めるのは、その音声をどこまで公開するか
音声合成のツールは、声の自然さで比べたくなりますが、最初に決めておくと迷わないのは公開範囲です。自分の原稿を聞き返すだけなのか、社内で共有する動画に入れるのか、誰でも見られる場所に出すのかで、見るべき条件が変わります。自分の確認用ならWordの読み上げのような内蔵機能で足り、公開するなら使った声の規約とクレジット表記の扱いが効いてきます。声の質を比べるのは、この範囲を決めた後の方が早いです。
- ✓自分で聞き返すだけ:内蔵の読み上げで足りることが多い
- ✓社内で共有する:入力した原稿がどう扱われるかを見ておく
- ✓誰でも見られる場所に出す:使った声の規約とクレジット表記を見ておく
同じ文章でも、表記を変えると読み方が変わる
音声合成でつまずきやすいのは、声の質よりも読み間違いです。固有名詞、数字の単位、同じ漢字で読み方が分かれる語は、そのまま渡すと意図と違う読み方になることがあります。多くのツールはイントネーションや読みを調整する手段を持っていますが、原稿側の表記を変える方法も併用できます。うまく読まれない箇所だけ、ひらがなに開く、語順を変える、句読点の位置を動かすといった調整をすると、設定を触らずに直せることがあります。この記事に埋め込んだ動画は、声の設計を文章で書くところを実際に映したものです。
- ✓読み間違えた箇所は、まず原稿側の表記を変えてみる
- ✓句読点の位置は、間の取り方にも影響する
- ✓調整した原稿は、次に作るときの元原稿として残しておくと繰り返し使える
公開前に、いちど音として聞き直す
文字で作った原稿を音声にすると、目で読んでいたときには気づかなかった問題が出ます。長い一文は息継ぎの位置が不自然になり、同じ語尾が続くと単調に聞こえます。文と文のつなぎ目に入る間や、音量が急に変わる箇所も、聞く機器によって印象が変わります。公開する前に一度通しで聞き、引っかかった箇所を原稿に戻して直すという往復を1回入れるだけでも、聞きやすさは変わります。
- ✓通しで聞いて、引っかかった箇所を原稿に戻して直す
- ✓聞き手が使う機器(イヤホンなど)に近い環境でも一度聞いておく
- ✓直した箇所は原稿に残し、同じ間違いを繰り返さないようにする
よくある質問
VOICEVOXは無料なので、作った音声は自由に使ってよいですか?
公式サイトは「商用・非商用問わず無料」と案内していますが、作った音声の扱いはそれとは別に案内されています。公式のソフトウェア利用規約は「作成された音声を利用する際は、各音声ライブラリの規約に従ってください」と案内しており、条件を決めているのは使った声の側です。あわせて「ご利用の際は VOICEVOX を利用したことがわかるクレジット表記が必要です。」とも案内されています。公開する場所ごとにクレジットを入れられるかも含めて、使う前に声ごとの規約を見ておくと安全です。
無料のツールと有料のツールで、いちばん違うのはどこですか?
声の自然さだけを比べると差が分かりにくいことがあります。実際に効いてくるのは、対応している言語の数、作った音声を公開してよい条件、読み方を直す手段が用意されているか、といった点です。日本語のナレーションを1本作るだけなら無料の候補で足りることも多く、複数言語やアプリへの組み込みが必要になると有料のクラウドサービスが候補に入ります。
固有名詞や漢字の読み方を間違えるときはどうしますか?
多くのツールは読み方やイントネーションを調整する手段を持っています。VOICEVOXの公式サイトでもイントネーションの詳細な調整ができることが案内されています。調整機能を使うほかに、原稿側の表記を変える方法もあります。同じ意味でも書き方を変えると読み方が変わるため、うまく読まれない箇所だけ表記を差し替えると、設定を触らずに直せることがあります。
実在する人の声に似せて音声を作ってもよいですか?
本人の許諾がない状態で、実在する人の声に似せた音声を作って公開する使い方は、権利や各サービスの規約の面で別の判断が必要になります。サービスごとに扱いが違うため、その用途を考えている場合は、使うサービスの規約でどこまでが認められているかを見たうえで判断します。この記事では、自分の原稿を読ませる用途を前提に整理しています。
社内資料の原稿を読ませても大丈夫ですか?
クラウド型のサービスでは、入力したテキストがサービス側で扱われます。社外に出せない情報を含む原稿を読ませる前に、そのサービスで入力内容がどう扱われるかを見ておくと安心です。手元のPCで動くソフトなら原稿を外に送らずに済むため、扱う情報によってはそちらの方が選びやすくなります。
情報の見方
料金、機能、無料枠、利用条件は変更されることがあります。このページでは2026年8月9日時点で見られる公開情報をもとに、選ぶ前に知っておきたい条件をまとめています。
読み終えたあとに見ること
気になるものが絞れたら、まず1つだけ向き不向きを読み、最後にリンク先で料金、上限、解約条件を見ます。迷う場合は、無料枠や少額プランで1記事だけ試す流れが安全です。